小さな幸せを感じる日々の日記

人生辛かったり楽しかったり悩んだり寝たり起きたり。

コロナよ、君は誰なんだ。

2020年4月12日現在、世界中で未だにコロナが猛威を振るっている。

 

終息には年単位の時間がかかる上に、世界が所謂「元の状態」に戻るのは更に多くの時間がかかるのだろう。

 

それでも、何となく、人間は滅びなくて、コロナは間もなく終息して、その時人間は「コロナに打ち勝った」と喚起する、そんな画が浮かぶ。

 

時間がどれくらいかかるかわからないけど、恐らく妄想ではなく、近いうちにその時は訪れるだろう。

 

でもね、思うんだ。

 

それは人類がコロナに勝ったのではなく、コロナが人間を学んだ結果なんじゃないかと。

 

全てのものが自らの遺伝情報を後世に伝えたいと願う、それは人類に限った事ではない様に思える。少なくともこの地球上では。

 

それはコロナも同じだとして。

 

コロナは領土を広げ新天地へ渡る為の宿主(人類)を発見し、しかもそれに乗る(感染する)事にも成功した。

 

人類はとても快適で、人の中で爆発的にコロナは増殖し、都合の良い事に周りに同じタイプの生物が70億も存在していて、まさにコロナ史上最大の黄金期に突入したように思われた。

 

しかし問題が発生した。

 

その生物は、個体差がかなり大きかったのだ。

大抵の人間は無事他の人と接触していたから、多くのコロナは宿主が死ぬ前に移住する事ができたが、数%の人間は瓦解し、その人間もろとも、乗っていたコロナも死んでしまった。

 

上手に感染は広げられている。しかし感染を急ぎ過ぎた結果、少なくない数の人間が死亡し、同時にコロナも失われた。

 

そして、やがて人類は内部で抗体を作り免疫を高め、外ではコロナを弱める為のワクチンを開発する。

 

コロナたちはその情報を世界中に散らばるコロナと共有し合い、対策を練る。

ここでコロナが取る行動は一つ、一時撤退だ。

 

抗体と闘い、免疫に押され、そうしてコロナは学んでいく。

人類の身体の仕組みを。

 

宿主が死んでしまっては遺伝情報を伝える術が無くなってしまう。

コロナの目的は人間を殺す事ではない。

 

自分たちが繁栄する為、ただそれだけの為に人間に感染するのだ。

 

ただコロナにとって想定外だったのが、あまりにも人類が脆かったという事だ。

 

犬にも猫にも蝙蝠にも問題なく感染できていた。

他の動物の時には、宿主の生命を脅かすことなくウイルスを培養拡散する事が出来ていたのに、同じやり方では人間が死んでしまう。

 

性急に繁栄増殖するものはそれが人類であろうと爬虫類であろうとコロナウィルスであろうと、辿る道は同じ。

破滅、自己崩壊、そして滅亡だ。

 

コロナもやがて気付くだろう。

このままでは人間を宿主として使い続けることが出来なくなると。

 

そして人間用にパターンを組み替えて、なるべく人間が死なない様に、けれども体内でしっかり増殖できるようにバランスを整えて、今度はゆっくりと、人間に気付かれない程度にさりげなく広がっていくだろう。

 

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コロナよ。

君は誰なんだ。

 

誰が君にその目的をインプットしたんだ。

 

君の姿はね、「成長、成長!!!理論的に!ロジカルに!感情に振り回されるな!目的に向かって一切の無駄を省いて邁進しろ!!」と声高に叫ぶ自己啓発のリーダーが掲げる理想にそっくりなんだ。

彼らの求める頂点が君たちであるなら、そのリーダーたちが言っている事はまったくもって正論で、地球の覇者となるものは環境変化に強く感染力が高いウィルスのようなもので、人類の目標もそこなのだろう。

 

どれだけ小さいウィルスであっても、人類と同じ「繁栄する」という目的を持って活動している。

 

彼らにとって人類とは何なんだ。

彼らの思考はどこにあるのか。

 

ウィルスの強さと比較してしまうと、人類とはなんと脆く弱く、まるで完璧とは程遠い。

 

人間はいつかウィルスの様になれる時が来るのだろうか。

それはリーダーの理想なのだろう?

そうなった時の世界は、一体どんな景色をしているのだろうか。