欠陥品は他人を傷つける。
自分の欠点は自分だけの問題だと思っていた
私は生まれた時からアトピーです。
水分を補う力が無いのは何も皮膚の臓器に限った話ではありません。
私は関節も喉も水分を保てません。
粘膜も弱くアレルギー性鼻炎もあるから口呼吸にもなりやすく、喉は乾燥しがち。
その上、口のサイズも平均より5mm程度小さいので、物理的にも声量が小さい。
コールセンターの仕事で追い詰められた時は気管支炎に近い症状を発症し、一時は一切声を発生する事が出来なくなり、その影響か、以降体調を崩すと喉が覿面に悪くなるようになりました。
声が低いのも高音域を出す力がないからだと思います。
早口なのは肺が弱く息が続かない為。
更に言うと声(音)を震わせる技量もないから声が遠くまで届かない。
音痴だったから人前で歌うのも嫌で、その為人前で歌う機会もなくて上手に歌おうとも思わなくなり、腹式呼吸とかもやってない。
要するに、
私の声は人に届くに値しない声なのだ。
それでも、別に困りはしなかった。
「(声が小さすぎて)聞こえない」と怒鳴られながらもマイクの音量を上げて何とか乗り越えた司会バイト。
わざと低い声を出して相手に安心感を与えるという逆転の発想に出たコールセンター。
そして今の職場はマスク着用を許可してもらい喉を労わりながら仕事出来る環境を整えやりくりしている。
のーぷろぶれむ!問題ない!
と、思っていた。
声が小さいがために相手を傷つける
ある身体を動かすセミナーで、最初の方にアイスブレイク的な感じで、お互いに大きな声で名前を呼び合うというのをやった。
私は講師の人と組んで何度かやったが、講師の先生は振付師で演者で発生もしっかりしている。
名前を呼び合うというのも、交互にではなく、同時に呼び合うのだ。
講師の先生と名前を呼び合って、先生に何度も「もう一回!!!」と言われる。
そして
「もっと声出して!(相手が)傷つくから!!」
傷つく。
私の声が小さいせいで、誰かが傷つく。
私は精いっぱいやっていた。
何度も何度も大声を張り上げて、
既に喉は酷く痛い。
でも、演者の先生の大声にかき消され、私の声は一切届いていないらしい。
私の小さい声のせいで、誰かが傷つく。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
一秒でも早くこの場から消え去りたかった。
アトピーであるという事
(これは私の主観であって私単体個人の事であって、「アトピーの人全体」の話ではない事を念押ししておきます)
私はその汚さ、穢れ、汚れ、不潔感から他人に不快感を与えているという自覚はあった。
どれだけ注意していても毎日皮膚は滑落してくるし、電車に乗っていてもあちこち痒くなる。皮膚も爪もボロボロで、他人は私と一度会うとすぐに顔を覚える。顔から血が出てる人なんてそうそういないから。
不快感を与えるのは申し訳ないけれど、それでも相手そのものを傷つけているという自覚はなかった。
私に不快感を感じるという事と、私に傷つけられるという事は大分違うからだ。
私は、喋るだけで誰かを傷つけていたんだ。
そんな当たり前の事も気づかずに、ヘラヘラ笑って生きてたんだな今まで。
欠陥品だから他人を傷つける。
だから欠陥品なんだ。
生きてきてごめんなさい。
アトピーが悪いんじゃない。
私が私のまま生きていることが問題なんだ。
そしてそれが判っても、まだ生き続けようとしていることがもっと問題なんだ。
私は自分が何をすべきかきちんと考えなければならない。
他人に迷惑をかけない為に。